バンパー
バンパーはクルマの衝突時において、そのダメージの殆どを受け止めるように設計されている。
時にはそのように働き、また時にはそのように機能しないが、この事実はこの本の要点から逸れている。
関わりがあることと言えば、クルマのバンパーがダメージを受けた際、これをどのようにして修復し、また交換するのかである。
バンパーがクロムメッキされているか塗装されているかに関係なく、修理の方法には直接の影響を及ぽす。
バンパーの取り外し
バンパーを取り外す際、これをマウントする部品を緩めるためにスプレー式の潤滑剤や長いブレーカーバー、そしてインパクトレンチを必要とするかも知れない。
バンパーの部品は常時外気に晒されているので、真っ先に錆びたり腐食したりするのである。
フロアジャッキを使用したり、他の人の手を借りてバンパーを支えてもらったりしつつ、最後のボルトまでを外してバンパーを外す。
バンパーボルトを外した後は、ネジ山が潰れたり曲がったりといったダメージを受けてないか確認すること。もしもそれらがダメージを受けていた場合は、修理したパンパーもしくは交換用の新品を組み込む際に交換すること。
バンパーブラケット
バンパーを外したら、バンパーブラケットがダメージを受けていないかと、ブラケットをクルマのシャシーに固定する部品が確実に固定されているかを確認すること。
もしもいずれかのブラケットがダメージを受けていたならば、これらを正常な状態に直す、もしくは交換した上で、再度クルマに付け直す必要がある。
マウントボルトが変形していないことも確かめ、もしも変形しているならば交換する。
後にバンパーを正確に固定するため、あなたやあなたが必要とする助っ人は、壊れた部分をドリルで揉む必要に迫られるかも知れない。
バンパーの修復
どのような修復方法であれ、ほとんどの場合クロムメッキ部へダメージを与えてしまう。
つまり、バンパーを修復するために板金したならば、それを再メッキしなければならないのである。
通常、バンパーはかなり耐久性のある金属であるため、ボディレベルのシートメタルを板金するほどに容易ではない。その上、バンパーを再メッキする場合でも、クロムメッキを施す工程の間その熱に耐えられないため、ありきたりのパテは使用することができない。
たとえ自宅で、この本で論議しているようなレベルのクロムメッキができたとしても、趣味のレベルではバンパーに足るほどの大きなタンクを用意できないだろう。
従って、ダメージを受けたバンパーを再メッキすることはおそらく、新しいバンパーを購入する以上の費用が掛かるだろう。バンパーを直して再メッキすることに時間と費用を掛けるのなら、交換用のバンパーを購入する方がよほど現実的である。
メッキではなくバンパーが塗装されている場合は、他のシートメタルと同様にある程度の板金をすることができる。
その一方で重金属の大きなハンマーを必要とするが、下塗りと塗装前にパテを使い、表面を滑らかにすることができる。
バンパーの交換
バンパーが修復されたものか交換用かに関係なく、再び組み込むことは簡単である。
バンパーを定位置に保持するための助っ人に協力を求め、バンパーとバンパーブラケットへ全てのボルトを挿入する。
その後、各ボルトに大きなワッシャーを通し、その上へロックワッシャーを介したナット、もしくはセルフロックナットを締め付ける。
ナットを手締めする際は、バンパーがクルマの中心に、水平に据わっていることを確認する。そして、バンパーが正しい位置に配置されていることを確認したら、適切なサイズのレンチやソケットでナットを締め込むのだ。
出典:自動車板金修理