ドアとドアスキン

自動車のドアは、基本的には中空のインナーパネルと外側のドアスキンを組み合わせることで作られている。

そのため、ドアスキンを交換することで修理できる場合もあるが、この方法で修理を行う際にいくつか気をつけなければならないことがある。

最も大切なことは、この修理法が使えるのはインナーパネルが無事(少なくとも曲がっていない)である場合に限られるインナーパネルにダメージを受けたドアは修理が非常に困難になるため、丸ごと交換する方法が最も効率的と言えるかもしれない。

同様に、外側のドアスキンが錆によるダメージを受けているときも、インナーパネルの状態を確かめる必要がある。

この場合、使用不能なほどのダメージはないかもしれないが、自動車メーカーによって内側にまで様々なペイントが施されている可能性もあるため、ひょっとするとドアスキンよりもインナーパネルの方が状態が悪いという可能性もある。

パネルが使用可能であった場合、自分の車両のドアスキ入手可能かを判断する必要がある。

幸運にも見つけることができれば、ドア全体を交換するよりも大幅に安値で修理することが可能もちろん、自動車を毎日運転するのか、古い車両をレストアしているだけなのかなどといった要素も考慮して、あえて全体の交換を選ぶこともあるだろう。

ここからドアスキンの交換手順を解説する。各作業を容易にするための準備として車両からドアを取り外し、内側に入っている諸々の機構も取り除いてしまう。

そして適切な作業台に載せておくこと。
元のドアスキンは、縁をインナーパネルのフランジに被せるようにして折り曲げて固定されている。

ドアスキンを取り外すためには、グラインダーを使用してドアの縁を削り、折り返し部分から内側のドアスキンを分離させる。

これで外れない場合はスポット溶接で接合されているため、その部分にドリルで穴を開けて完全に分離させる。

さらに、インナーパネルに残った折り返し部分もインナーパネレから除去する必要がある。

この後、状況によっては、サンドブラストや剥離剤を使ってインナードアの錆を除去する必要があるが、錆取りを行なった場合は、2層のエポキシプライマーを施しておくこと。

新品のドアスキンを取り付ける際は、インナーパネルの接合面を念入りにチェックする。元のドアスキンの破片、スポット溶接の跡、パネルの粘着物などが残っていないか、しっかりと確認すること。

そしてインナーパネルよりも大きめの新品のドアスキンを、上下左右を見て確実に中央に配置する。

けがき針や油性ペンを使ってドアスキン内側に位置をマーキングし、何度か微調整を行なうと良いだろう。

場所が決まったら一度ドアスキンをどかし、ドアスキンの内側にあるビード部分に接着剤をに接着剤を塗布してインナーパネルと接合する。

接着剤は少しだけ塗るようにし、先ほど決めた位置に合わせてしっかりと押し付けて圧着、その後はCクリップやロッキングプライヤー(バイスグリップ)などの固定器具を使用して、パネルとドアスキンを正しい位置で固定しおく。

このとき新品のドアスキンやインナーパネルにダメージを与えないよう、丁寧に扱うことを心がけること。

完全に固定することができたら、隙間からはみ出た接着剤を拭き取っておく。

接着剤が固まったら(各製品の説明書きに従うこと)、さらにドアスキンの縁をインナーパネルに被せるようにして折り曲げる必要があるこの作業は、何通りかのやり方、また数種類の道具の中から選ぶことができる。

ひとつはドアスキンプライヤーを使用する方法、もうひつはダックビルプライヤーを使用する方法だ。

プライヤーを使ってあ程度折り込んだら、内側のドアパネルに対して平らになるようプレスする必要がある。

この作業にも、軽めのドアスキンハンマーを使用する方法、またはマレットや平らな面を持つハンマーをドリーと共に使用する方法の2通りがある。

このように、幾つかの方法での作業が可能な箇所は他にもある。

それは、あなたがどのようなツールを用意していて、どのような方法で使用するかによって選ぶことができる。

この工程でのポイントは、ドアスキンの折り返し部分はインナーパネルと平らにする必要があること。

さらに、表側に傷等をつけないよう気をつけながら作業を進めることだ。

出典:自動車板金修理