ドリーオン ドリーオフハンマー
ドリーを裏にあてがわずにハンマーのみを使用すると、大抵の場合は直したいヘコミの外側の範囲まで押し込んでしまい、修理が必要な部分以外を変形させてしまう。
ドリーを使用して正面からハンマーを当てることで、ハンマーの衝撃の焦点をコントロールし、シートメタルを思い通りの形に変形させることができるのだ。
ドリーにはドリーオン、ドリーオフという2つの使い方がある。
ドリーオンでは比較的小さめのドリーをシートメタルの裏側から当て、その部分を直接ハンマーで叩くことで、一点だけ高い箇所を引っ込めたり、波打ちをまっすぐにしたりする。
一方ドリーオフでは、ドリーを裏側から当てるのは同様だが、ドリーの少し脇をハンマーで叩く。
こうすることによって、ハンマーの押し込む力に対してドリーの部分には表側に押し出すような力が働く。
この方法は、比較的広い範囲の修理に使用される。
ドアの修理
衝撃によりダメージを負ったドアを修理する場合、作業はダメージを負ったシートメタル以外の部分にまで及ぶことになるだろう。
ドアは稼働するパーツであるだけに、ヒンジやロック機構の部分まで修理、もしくは交換によってしっかりと整備する必要が出てくるのだ。
また、ドアを開閉する機構と共に、割れたドアガラスを取り除いて交換する必要も出るかもしれない。
ある程度高いクラスの車両には言えることだがドアのリモートコントローラーやステレオスピーカー、近年の車両ではサイドカーテンのエアバッグまでが隠れたダメージを受けている可能性はある。
もちろん、ドアの外装が大きなダメージを負っている場合は、内装まで達していると考えて良い。以上のことから追加の作業が増える可能性はあるが、どれも自宅での対応が可能なものだ。実践経験を得るチャンスを与えて仇るものと考えよう。
出典:自動車板金修理