新しい車のほとんどは、フロントとリアのバンパーにはプラスチックのパネルを使用している。そのプラスチック素材に堅い物が使われている場合、衝撃によって破損することもあり得る。

もし破損してしまっても、破片を全て回収し、元の状態に固定することができれば修理は可能だ。しかし、重要な部分がなくなってしまったり、元の形には戻せないくらいに変形してしまっていたら、素直に交換用パーツを購入した方が賢明だ。また、プラスチック素材には、柔らかく作られた破損に強い物もある。

しかし、その素材が持つ弾力を超える力で押し込まれた場合、変形を起こしてしまう。一点の接触による単純なヘコミであれば修理可能なのだが、複数の方向から力がかかった複雑な歪みは、簡単な作業で修理することはまず不可能だ。

ディーラーからパーツ供給があったり、アフターマーケットに交換用パーツが流通しているとしても、自動車の部品取りという選択肢を覚えておいてほしい。

中古部品は、ディーラーやネットで購入するよりも非常に安価で手に入る上、しっかりと機能する物も存在する。可能な限り、中古部品を探して比較すると良いだろうもちろん、自動車部品販売サイトを利用するという選択肢もある。この場合、必要な部品はほとんど何でも手に入るのが利点だ。

修理できるパーツとできないパーツを決定すれば、作業前の計画が終わりというわけではない。修理作業にのみ時間を充てられるわけではないため、自分の環境に当てはめた実際問題を考慮しなければならない。修理すると決めた以上、その作業にかかるであろう時間は完璧に見積もっておきたいものだ。

毎週末に作業を分担するため、改めて修理作業を何段階かに分けることはできないだろうか?週に1度の作業で1ヵ月かかるとしても、効率の良い計画を立てることは充分に可能だ。

また、もし時間内の修理が不可能であるとしても、交換用パーツを購入し、塗装から始めるのであれば、あなたの時間の制約をクリアできるのではないだろうか? 例えば、ドアをぶつけてガラスが割れてしまっている場合、ヘコミを直す前にドア本体を分解し、割れたガラスを取り除き、ウインドウトラックを修理し、新しいガラスを用意する等といった作業が必要となる。

するのは簡単だが時間を食う、様々な仕事が待ちかまえているのだ。この場合は、スクラップのドアを購入し、塗り直しの作業に手をかけた方が効率が良い。

アマチュアには特に言えることだが、作業時間は予想しているよりも長く見積もっておくこと。先ほどからも述べているが、交換にはスクラップ工場まで行き、パーツを手に入れ、古いドアを取り除いて新しい物を取り付けるという工程が必要となる。

奇跡的にボディと同じ塗装がされたドアを見つけない限り、塗り直す時間も考慮しなければならない。また、一時的に仮のパーツを付ける必要が出てくるかも知れなその場合、そのパーツをそのまま残すのか、新しい物が用意できたら取り外すのかによってもかかる時間が異なってくる。

もちろん、ドアを車体に取り付けてから塗装することもできるが、その場合はマスキングをする手間と時間が追加される。

外的な制限も生じてくるだろう。例えば、その車両を子供が通学で使うなどといった事情だ。ひとつ良い案を提案しよう。家族も修理作業に巻き込んでしまえば良いのだ。

こうすれば、家族達も事故による損害を改めて認識し、作業を手伝ったり、今後もしっかりと車をメンテナンスするもっともな理由にもなるだろう。親子の時間も増え、つまらない作業が家族団らんの場へと変わる。ちょっとした作業を自分で行なうことは、私たちにとって非常に良い効果をもたらすということだ。