パネルのちり合わせ

あらゆるヘコミを正し、波打ちを取り除いて傷んだパネルを修理(あるいは交換)したとしても、板金職人としての作業は終わらない。塗料を塗る前にまだ、それらのパネルが適切にフィットするかを確かめる必要がある。

全てのボディラインは明らかに、一枚のパネルから次のパネルへと整列していなければならない。

もしこれらのラインの内の1つでも、1枚のパネルから他のパネルへと流れていなければ、すぐに気が付くだろう。遠くから見れば目立たないため、各パネルの端が次のパネルへと適合しているように見えるかもしれないが、近づいて見れば目立ってしまうのである。

工場でシムが使われていたかいないかに関係なく、隣接したパネルを正確に並べるため、いくつかのパネルの裏にシムを組み込む必要があるかもしれない。

どのような適合不良であれ、2つの端の間を均等に分けなければならないので、ボンネットとデッキリッドは大きな問題を呈するだろう。

ドアとフェンダーは可能な限り精密に合わせるべきであるが、クルマの一方から他方への僅かな偏差は、ボンネットとデッキリッドほどは目立たない。

製造上の公差や隙間を正す一方、隙間の幅を調和させることが主目的である。整合した隙間を得るため、パネルを外したり素材を付加する必要があるかもしれない。

必ずしもそうとは限らないが、塗料をかき混ぜるためのスティック厚ほどの隙間が、ボディワーカーにとっての一般的な到達点である。

もし、修理をするためにクルマからパネルを外すのなら、後でちり合わせの問題を引き起こさないためにも、これを再度取付ける前に、何かパテが加えられていないかを確認すべきである。

隙間がきつ過ぎる場合、どのようなパネルであれパテが塗られていることが疑わしい。

表面を滑らかにするため、たっぷりと盛られているのである。これは、盛られた範囲が本来よりもはるかに高い場合頻繁に起きうることであり、その周りは不正確な表面の高さを生み出す。

出典:自動車板金修理